ECサイトの「サイト内検索」を改善すべき理由と方法
ECサイトにおいて、サイト内検索はユーザーが求める商品や情報を迅速に見つけるための重要な機能です。この記事では、ECサイト利用者へのアンケート結果をもとに、ユーザーがECサイトを利用する際にサイト内でどのような機能を重視しているのか、どんな時にサイト内検索を利用しているのか、どこに不満を感じているのか、うまく機能しない場合のデメリット、そして効果的な検索システムを導入・改善することのメリットについて解説します。
ECサイトのサイト内検索とは?
ECサイトのサイト内検索とは、ユーザーが特定の商品や情報を迅速に見つけるための機能です。この機能は、キーワードやフレーズを入力することで関連する商品やコンテンツを表示し、ユーザーが目的の商品を簡単に見つけられるようにします。効率的なサイト内検索は、ユーザーエクスペリエンスを向上させ、売上を増加させるために重要な役割を果たします。また、ユーザーが求めている情報のヒントになるので的確に把握することは使い勝手を上げる上でとても大事なポイントになります。
ECサイト利用者へのアンケート調査結果
ECサイトを利用して商品やサービスを購入したことがある人たちにアンケート調査をしました。
今回は全国の15歳以上の男女108人に対して、ECサイトを利用する際のポイントについて教えてもらいましたのでECサイト改善の参考にしてみてください。
Q1:ECサイトを使う上で特によく使う機能・情報を教えてください
対象者:「ECサイトを利用して商品やサービスを購入したことがある」と回答した全国の15歳以上の男女108名(複数回答)
調査機関:2024年4月26日~4月30日 実施(調査:fastask)
1番よく使われているECサイトの機能としては「サイト内検索機能」で半分以上のユーザーが利用頻度の高い機能として回答しています。続いて絞り込み機能、並べ替え機能の順で利用されています。
Q2:ECサイトでサイト内検索はどんな時に使いますか?
対象者:「ECサイトを利用して商品やサービスを購入したことがある」と回答した全国の15歳以上の男女108名
調査機関:2024年4月26日~4月30日 実施(調査:fastask)
サイト内検索の利用用途としては、欲しい情報が分かっている時が一番多く、他の回答を見てもユーザーは欲しいものをかなり具体的にイメージできることが多い傾向にあることが分かります。
Q3:特に不満を感じるECサイト特徴を教えてください
対象者:「ECサイトを利用して商品やサービスを購入したことがある」と回答した全国の15歳以上の男女108名(複数回答)
調査機関:2024年4月26日~4月30日 実施(調査:fastask)
ECサイト内での不満としては、欲しい情報が見つからない、スマホで使いづらい、気になる商品が少ない、会員登録が必要など、ユーザーが想定していたものとズレが生じている際に不満を感じる傾向にありました。また利用したいと感じてもらうためにも不満要素は解消しておくことはポイントであることが分かります。
サイト内検索がうまく機能していないことのデメリットや損失
アンケート結果から、ECサイトにおいてサイト内検索機能がいかに利用されているかということがわかると思います。ECサイトにおいて、サイト内検索機能がうまく機能していないと、どのようなデメリットや損失が発生する可能性があるのか紹介していきます。
- ユーザーの離脱:欲しい商品が見つからないと、ユーザーは他のサイトに移動し、結果的に顧客を失うリスクが高まります。
- 売上の減少:適切な商品が見つからないことで購入に至らず、売上が減少します。特にサイトに存在する特定の商品を探しているユーザーが離脱することで、直接的な機会損失につながる可能性もあります。
- ユーザーエクスペリエンスの低下:検索結果が不適切であると、サイトの使い勝手が悪いと感じられ、ユーザーの満足度が低下します。これはリピーターの減少にもつながります。
- 信頼性の低下:正確でない検索結果が表示されると、サイト全体の信頼性が損なわれます。ユーザーは信頼できないサイトから購入することを避ける傾向があります。
- データ活用の不十分:検索データが正確に収集できないため、マーケティングや商品開発に活かすデータ分析が難しくなります。
これらのデメリットを避けるためには、サイト内検索機能の最適化が不可欠です。適当に対応するのではなく利用者目線での丁寧な作り込みが大事になります。
ECサイトのサイト内検索機能を導入するメリット
逆に効果的なサイト内検索機能を導入することには多くのメリットがあります
- ユーザーエクスペリエンスの向上:簡単かつ迅速に目的の商品を見つけられるため、ユーザーの満足度が向上します。
- 売上の増加:検索結果が精度高く商品やサービスが表示されることで、ユーザーの購買意欲が高まり、売上につながる可能性が高まります。
- 滞在時間の延長:効果的な検索機能はユーザーのサイト滞在時間を延ばし、他の商品も閲覧してもらう機会が増えます。
- リピーターの増加:一度良い体験をしたユーザーは再度サイトを利用する可能性が高くなります。
- データ収集:検索履歴やユーザーの行動データを活用することで、ユーザーの心を掴むより効果的なマーケティング戦略を立てることも可能になります。
ECサイトの「サイト内検索」をより使いやすくする改善方法
検索結果の精度向上
ユーザーが入力したキーワードに対して、的確で関連性の高い結果を表示するように改善が必要です。検索されたキーワードに対してユーザーは何を求めているのか的確に把握して、求めている情報をわかりやすく欲しい形で出力ができるように調整をします。改善する上でユーザーと商品の理解、システムの理解は非常に重要になります。
使いやすいインターフェース
説明をしなくても理解ができる直感的なデザインを採用し、検索バーを目立たせます。簡単にフィルターや並べ替えができるようにします。入力時の表記ゆれの問題への対応や絞り込みの時のユーザーのアクション回数を減らすことは使いやすさを改善させるポイントの一つです。
モバイル最適化
スマートフォンやタブレットでも快適に使えるデザインにし、ボタンなどのサイズや位置を調整します。パソコンでは使いやすいのにスマートフォンでは細部が使いづらいということは意外とよくあることです。実際のユーザー目線で一連の流れを操作してみると問題点に気付けることもあります。
パーソナライズされた検索の実装
プライバシーポリシーを明確にしたうえで、ユーザーの過去の検索や購入履歴を活用して、個別にカスタマイズされた検索結果を提供します。これによりユーザーのニーズに的確に応え、より良い検索体験を提供することができます。何をどのように学習・調整していくかは知識や経験が必要になります。
これらの改善により、ユーザー体験が向上し、ECサイトの利用頻度やその先の成果にも影響を及ぼします。
サイト内検索ツールとは?
Webサイト内に含まれている情報・コンテンツを検索するツールを「サイト内検索ツール」といいます。サイトに訪問した人が求めている情報にスムーズにたどり着けるよう誘導できる点に加えて、検索ニーズに合った情報提供が可能に。利便性向上に加えて、CRVアップ、サイトからの離脱を防止するなどの効果が期待できます。
サイト内検索ツールの種類
大きく分けて、無料ツールと有料ツールの2種類があります。
無料で利用可能なサイト内検索ツールでは、コストが抑えられる反面、意図しない検索結果が表示されてしまうケースや、広告が表示されることによって訪問者が他のサービスに流出する可能性も考えられます。また、ECサイト構築ツールなどでも標準機能やプラグインの形でサイト内検索機能が用意されていますが、検索に特化したツールと比較した場合、検索精度・機能面で劣る面もあります。
対して有料ツールの場合、訪問者が入力した検索キーワードに合わせたおすすめ商品の表示や、検索した商品の購入ページに遷移させるといったように、さまざまなカスタマイズが行えます。さらに、重要なページを上位に表示させたい場合に活用できる「重み付け設定」などの機能も用意されています。
サイト内検索ツールを導入するメリット・デメリット
サイト内検索ツールには、以下のようなメリットがあります。
効率的に検索精度を改善できる
検索の精度を高めたいと考える場合には、索引追加や商品に対して個別の番号をつけるといったような作業が必要となりますが、サイト内検索ツールの「検索内容の自動学習」「検索キーワードの解析」などの機能を活用することで高精度な検索を実現可能です。また、エンジニアによるチューニングサポートといったサポートを用意しているサービスもあります。
CVR・離脱率の改善が可能
ツールの導入により、CVRや離脱率の改善も期待できます。
例えば、検索アクションをもとにして、ユーザーが興味を持っていそうなページなどに誘導するといったように、「見せたいページ」をコントロールして、ニーズに合った検索結果の提供が可能です。また、オートコンプリート・表記揺れ対応・タグ検索などによってユーザーが欲しい情報に素早くたどり着けるような環境を整えられます。
問い合わせ件数を削減できる
必要な情報にユーザーが自分でたどり着ければ、問い合わせ件数の削減が期待できます。問い合わせ件数が減ることで、対応に必要な人的コストなどの削減に繋げられます。
改善にはユーザーとシステム理解が重要
ECサイトのサイト内検索は、ユーザーの悩みや要望を知るための窓口です。ユーザーが検索する際には、その悩みを凝縮して検索で伝えてくれています。機能を付けたからもう大丈夫!ではなく、ユーザーが検索している内容を深く理解して商品や情報探しへの的確な手助けができるように、期待以上の商品提案ができるように丁寧に機能改善をしていくことをおすすめします。自社での改善が難しい場合にはその道のプロに相談してみるのも成果を出すためのヒントになると思います。

- 監修
- コマースとCXの
リーディングカンパニー
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ZETA株式会社はEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」をはじめとして、EC利用者の体験を包括したマーケティングの実践をサポートする『ZETA CXシリーズ』の開発・提供に取り組んでいる企業です。アパレル、家具・家電・日用品、BtoB問わず、国内大手ECに多数の導入実績を誇っています。