【課題別】EC売上アップのための改善ポイント
ECサイトを運営する中で、「なぜ売上が上がらないのか」と悩む人も多いのではないでしょうか。売上が上がらない理由にはさまざまなものが考えられます。そこで、こちらのページではどのような課題が考えられるのかという点や改善のためのポイントをまとめています。
課題と改善策
サイトの訪問者数が増えない
ECサイトにおいて、そのサイトを訪問するユーザーが少なければ当然売上を上げることも難しくなります。そのため、まずはサイトの訪問者を増やすことが大切なポイントとなってきます。ECサイトへの流入経路は広告からの流入や自然検索(オーガニック)流入、他のサイトやSNSリンクからの流入、直接流入などの方法が考えられますが、短期間で集客を行う場合には、広告の活用がおすすめといえます。
広告の種類としては、リスティング広告、Googleショッピング広告、ディスプレイ広告、アフィリエイト広告、SNS広告といったようにさまざまなものがあります。しかし、広告にそこまで多くの予算を割けない場合にはSEO対策やSNS運用により集客を狙う方法も考えられます。また、近年では顧客体験の向上が集客率の改善につながるということで注目が集まっています。
コンバージョン率の低さ
コンバージョン率(CVR)とは、対象となるサイトやページを訪問したユーザーのうち、どれくらいが「購入」などの成果につながっているかを示す指標です。この数値が高ければ、ユーザーが持っている興味や関心についてより良い訴求ができていることになりますし、逆に低い場合はユーザーが目的とする行動を行う前にページを離脱していることになりますので、改善の余地があると意味しています。
ECサイトにおいてコンバージョン率を改善する方法として考えられるものには、「TOPページの改善」「商品ページの改善」「決済方法の改善」などの方法が考えられます。例えばTOPページがユーザーをきちんとナビゲーションできるものになっているか、商品ページはユーザーが購入後のイメージを持てるような内容となっているか、そして決済方法が充実しているかなどを検討してみるなど、運営するECサイトにおいてコンバージョン率が上がらない理由を見つけ出し、改善を行うことが必要となります。
また、コンバージョン率を改善するには、サイトの見た目はもちろんですがサイト内の検索精度を向上させることも大切。検索精度が向上すればユーザーは求めている情報にすぐに辿り着けるため、離脱防止にもつながります。
カート放棄率の高さ
カート放棄率とは、購入カートに商品は入れたものの、そのまま決済まで進まずにサイトを離れてしまう割合を示したもので、「カゴ落ち率」とも呼ばれます。カート放棄率はECサイトの売上を左右する部分となることから、この数値が高い場合には改善が必要になってきます。
カート放棄率が高くなる原因としては、「送料や手数料が高い」「購入しようと思ったもののアカウントの作成が必要だった」「注文してから手元に商品が届くまでに時間がかかる」「決済までの行程が長い・複雑すぎる」といったものが考えられます。そのため、カート放棄率への対策としては、送料や手数料を明確にしておく・会員登録なしで購入ができるようにするなど購入までの工程を短くする、配送方法の選択肢を増やす、入力フォームのアシストを充実させてスムーズな入力ができるような仕組みを取り入れるなど、さまざまな方法が考えられます。
リピーターの不足
リピート率とは、一定期間内にサイトを訪れたユーザーのうち、どれくらいの人数が商品を複数回購入したかを表す数値です。この数値が高いほど、ユーザーは商品に満足しているといえますし、逆にリピート率が低い場合には商品に満足できなかった可能性があると考えられます。また、購入後の顧客のフォローができていないことも、リピート率を低下させるひとつの要因であるといえます。
リピート率を向上させるには、さまざまな施策が考えられます。例えば「アフターケアとサポート体制の充実」「リピーターへのメリットを提供する」など。例えば初回購入後にメールなどで商品の説明などの情報を送信することで、「しっかりとサポートしてくれる」という自社に対するイメージアップにつなげられます。また、割引など数回購入をすることによって何かメリットがあれば、リピート率の向上につながるケースもあります。
離脱率が高い
離脱率とは、サイト内のページを閲覧後、最終的にどこのページでサイトを閉じるまたは他のサイトに移動したかを示す数値です。離脱率が高い場合、ユーザーが途中で閲覧をやめてしまうことになるため、商品が売れる可能性が低くなります。すなわち、商品やコンテンツに魅力を感じてもらえていないと考えられます。
ECサイトから離脱する原因としては、ユーザーがログインに失敗する、求めている情報がない、ページが見にくい、入力する項目数が多い、ページの表示速度が遅いなど、さまざまものが挙げられます。
そのため、まずはなぜ離脱率が高くなっているのかを確認した上での対策が必要といえます。例えば、ログインを失敗してしまい離脱しているユーザーが多いのであれば、失敗してしまったユーザーに対して適切なフォローを行って正しくログインできるように導く仕組みが必要となります。
サイトの読み込み速度が遅い
ECサイトにおいては、サイトの表示速度も売上に大きく関わる要素となります。実際に、ページの表示速度が遅くなると、売上やコンバージョン率が下がる傾向があるといわれています。
ECサイトでは画像や動画を掲載することにより、ユーザーにどのような商品かを伝え、その魅力を伝えられます。しかし、この画像や動画の容量が大きいと表示速度が遅くなりユーザーにストレスを与えてしまう可能性があります。このように、ECサイトの表示速度が遅くなる理由にはさまざまなものが考えられますが、ユーザー側としてはページが表示されるまで待ちきれずに離脱してしまい、結果として売上が上がらないという結果になってしまいます。
以上の点から、サイトの表示速度はECサイトを運営する上で非常に重要なポイントとなってきますので、自社サイトの表示速度を確認するなどして、問題がありそうな場合には改善に取り組んでいくことがおすすめです。
顧客サポートの不十分さ
ECサイトの売上を上げるには、リピーターやファンを増やすのが重要なポイントとなってきます。そのためには、顧客サポートをしっかりと行っていくことも大切です。近年では、ECサイトにおいて目的の商品を購入するだけでなく、顧客体験を重視する人が増えているともいわれています。例えば、商品に対する質問へのスムーズな回答、クレームなどへの対応など、どのような体験を提供できるかはユーザーの満足度を左右し、リピーターやファンの育成にもつながっていきます。
また、より良い顧客サポートの提供により、良い評判や口コミの増加につながるケースがあります。ユーザーは商品や購入するサイトを選ぶ際に評判・口コミを参考にしているケースも多く見られますので、良い口コミを投稿してもらうことは集客を行う上で重要であるといえます。
データ活用ができていない
ユーザーのニーズを理解して、それぞれの行動に即した対応の提供によって売上が変わってくるため、ECサイトでもデータの戦略的な活用が求められます。うまくデータを活用することによって、売上の向上だけではなく、顧客満足度やリピート率の改善なども期待できます。
ここで活用できるデータとしては、性別や年齢層、地域などの「顧客データ」やページの滞在時間やアクセス頻度などの「行動データ」、購入履歴やカートに入れた商品などの「購買データ」などさまざまなものがあります。これらのデータを分析することによって、ユーザーの行動に応じた対応ができ利便性を向上する、人気商品の在庫切れを防いで販売の機会を逃さないなどの効果が得られると考えられます。
このように、データの分析と活用は、ECサイトを成長させていく中で重要な要素であるといえます。
競合との差別化ができない
同じようなECサイトがある場合には、そのサイトとの差別化が売上を向上させるために重要なポイントとなってきます。自社の強みや価値をユーザーにアピールすることが必要になってきますが、まずは自社のライバルとなるECサイトがあるかどうかをまず確認するところから始めてください。似たような商品を取り扱っているなど、いくつかライバルとなる可能性があるECサイトを探し、それらのサイトと自社のサイトを比較することで、強みや価値を洗い出します。
差別化を行うための要素としては、「価格」「商品の品揃え」「販売するプロダクト」「カスタマーエクスペリエンス」などが挙げられます。具体的には競合サイトより価格を下げる、品揃えを豊富にすることでユーザーの選択肢を増やす、他のECサイトでは手に入りにくい商品を販売する、スピーディーな問い合わせ対応を行うなど、競合との差別化を行う方法はいくつか考えられます。
上記のように競合となるECサイトとの差別化に取り組むことによって、売上の向上を含むさまざまなメリットを得られる可能性があります。
モバイル対応の不足
近年では、スマートフォンを用いてECサイトにアクセスするユーザーも多いことから、モバイル対応も非常に重要なポイントであるといえます。そのような中でモバイル対応を行っていない場合、スマートフォンからECサイトにアクセスした際に見づらさや操作のしにくさを感じてしまうため、ユーザーの離脱率を上げてしまう原因にもなります。
以上の点から、ECサイトを運営し、売上を上げたいと考えている場合にはモバイル対応が必要であるといえます。現在モバイル対応を行っていないのであれば、早めに対応を行うことが大切です。
在庫管理の不備
しっかりと在庫管理が行えていないECサイトは、売上が伸びにくいといえます。せっかくユーザーが購入しようとしても在庫切れとなって購入ができないと、サイトから離脱してしまうばかりか競合のECサイトなどで購入されてしまうことも。当然いつも在庫があって購入したい時に購入できるサイトを利用したいと考えることから、「在庫がないサイトはもう利用しない」と考えてしまっても不自然ではありません。
このような状況を防ぐためにも、在庫管理の徹底が大切です。余裕を持った在庫を用意しておくことや、仕入れから販売可能になる時間を管理し、品切れの時間をできるだけ短くすることがポイントとなってきます。さらに、可能であれば「現在は品切れであるものの○日以内には在庫確保の予定」といった形でアナウンスするなど、販売機会を逃さない工夫が重要です。

- 監修
- コマースとCXの
リーディングカンパニー
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ZETA株式会社はEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」をはじめとして、EC利用者の体験を包括したマーケティングの実践をサポートする『ZETA CXシリーズ』の開発・提供に取り組んでいる企業です。アパレル、家具・家電・日用品、BtoB問わず、国内大手ECに多数の導入実績を誇っています。