ECサイトの読み込みが遅い場合の改善方法
ECサイトにおいて、ページの読み込み速度は売り上げや顧客満足度に関わってくる要素です。こちらのページでは、ECサイトの読み込み速度が遅くなる原因や、改善方法をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
ECサイトの読み込みが遅い場合の原因
ECサイトの読み込みが遅くなる場合、さまざまな原因が考えられます。ここでは、どのような原因が考えられるのかについてまとめました。
画像や動画のサイズが大きい
画像や動画が原因でECサイトの読み込みが遅くなっているケースは多く見られます。高解像度の画像や動画を使用した場合、ユーザーに対してよりダイレクトに情報を伝えられますが、その画像や動画を表示するまでに時間がかかってしまうと、ユーザーがサイトを離れてしまう原因になる可能性も考えられます。
JavaScriptやCSSの記述が多い
JavaScriptやCSSの記述が多い場合、ページ読み込みの効率が悪くなり時間がかかってしまうケースも見られます。特に、不要なスクリプトやライブラリの読み込みが行われていると、ページのパフォーマンス低下によって表示に時間を要することがあります。
使用しているフォントの種類や数
ECサイトが重くなる原因のひとつとして、使用しているフォントの種類や数があります。例えば、見出しや本文で異なるWebフォントを使用していると、それぞれのフォントの読み込みが必要になります。使用しているフォントの種類が多くなるほど読み込みが必要なデータも増加しますので、結果としてページの表示が遅くなる傾向が見られます。このように、Webフォントはデザイン面での自由度が向上するものの、表示速度に影響を与えてしまう可能性も考えられます。
外部ファイルが負荷になっている
「外部ファイル」とは、Webページのソースコードを別ファイルとしてサーバー上に保存しておくことをいいます。このような外部ファイルが多い場合、それらをダウンロードするためのリクエスト数が増加します。するとブラウザとサーバ間で行われる通信の回数が増加し、ページの読み込みに時間がかかります。特にファイルサイズが大きいとダウンロードにも時間がかかり、余計にページ読み込みの時間がかかります。
タグを埋め込みすぎている
タグの埋め込みがECサイトの負荷になる可能性も考えられます。これは、たくさんタグを埋め込みすぎた場合に、読み込みや実行に時間がかかってしまうためです。
ECサイトの読み込みが遅い場合の改善方法
上記のように、ECサイトの読み込みが遅くなるのにはさまざまな原因が考えられます。ここでは、読み込みに時間がかかってしまう状態を改善する方法をご紹介します。
ブラウザのキャッシュを活用する
「キャッシュ」とは、以前に訪れたWebサイトの画像やスクリプト、スタイルシートなどのリソースをブラウザが一時的に保存する機能をいいます。このキャッシュを活用すると、同じページを読み込んだ際には保存されているリソースを使用できるためにサーバからのリクエストを省略することが可能になり、ページの読み込みに必要な時間を短縮できます。
CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を導入する
「CDN(Content Delivery Network:コンテンツ配信ネットワーク)」とは、Webコンテンツを世界中の配信拠点にコピー(キャッシュ)しておき、ユーザーからのアクセスがあった場合には、最も近い拠点からコンテンツを配信するためのシステムです。この仕組みによって、データを転送するために必要な時間を短縮することができ、ECサイトの読み込み時間が早くなります。
また、CDNはセキュリティ機能も提供していることから、サイトをオンライン上のさまざまな脅威から保護するというメリットも得られます。
gzip圧縮を設定する
ファイル圧縮方法のひとつである「gzip圧縮」を使用するのも選択肢のひとつです。これは、Webサーバーがテキストベースのファイル(HTML、JavaScriptなど)を圧縮することによりファイルサイズを小さくでき、結果としてデータの転送時間の短縮が可能になります。
転送時間の短縮によってページを読み込む速度が上がり、ユーザーの離脱の防止や、満足度を上げることができます。
HTML・JavaScript・CSSの軽量化
ページの表示速度を改善するには、HTML・JavaScript・CSSを軽量化する方法もあります。
HTMLについては、不要なタグや属性の削除を行って簡潔な構造にすることがポイントです。また、JavaScriptの場合は、コードの圧縮を行い、不必要な空白・コメントの削除を行います。またCSSについては、使用されていないスタイルを削除します。このような対策によって軽量化につながり、ECサイトの表示をスムーズに行えるようになります。
画像の圧縮・軽量化を行う
サイトの表示に時間がかかってしまう場合、使用している画像が大きすぎることが原因のひとつとして挙げられるため、画像の圧縮・軽量化はページの表示速度の改善にあたって重要な方法といえます。この取り組みにより、画像の品質を落とさずにファイルサイズを小さくできます。
高解像度の画像をサイトに使用したいと考えるのであれば、「WebP」などのフォーマットを使用することがおすすめです。WebPとは、Googleが開発した画像フォーマットであり、画質を維持したままでファイルの軽量化が可能である点が大きな特徴といえます。さらに、透過画像もサポートしている点もポイントのひとつです。
ただ、古いブラウザの中にはWebPなどのフォーマットを使用している画像を正しく表示できないケースもある、という点が注意点として挙げられます。
遅延読み込みを利用する
遅延読み込みを利用することによって、ページの特定部分について必要になるタイミングまで読み込みを待機させられるようになります。この対策によってユーザーがスクロールしたときに画像やコンテンツを読み込む形にできるため、初回のページ表示が速くなり、利便性が向上します。
サーバーの性能を向上させる
使用しているサーバーの性能が低いために、ECサイトの表示に影響を与えている可能性もあります。このような場合は、現在使用しているものより高い処理能力を持つ専用サーバーを利用するなどの方法によって、高速なデータ処理が可能となり、結果としてページの表示スピードを上げられます。
リンクページ先でリダイレクトを使用しない
リダイレクトを使用していると、HTTPリクエストとレスポンスのサイクルが増加し、ページが表示されるまで時間を要する原因となります。リダイレクトを使用しない場合には、直接的にリンク先ページの表示を行うことから、ページの読み込みに要する時間を短縮できます。特にモバイルユーザーにとって目的のページにアクセスしやすくなり、ユーザーエクスペリエンスの向上にも繋げられます。
Webフォントを調整する
Webフォントの種類が多ければ多いほど、ページの表示速度が遅くなる傾向があるため、調整によって表示速度が速くなるケースもあります。例えば見出しのみや数字部分のみにしか使用していないフォントがある場合には、共通のものに統一することによって表示の高速化につながる可能性が考えられます。
ページの表示速度は、ECサイトを運営する上で非常に重要なポイントとなってきます。もしページの読み込みに時間がかかってしまうと、ユーザーは自分が求めている情報を別のサイトに移動して得ようと考えるため離脱率が高くなる可能性があります。どれだけ良い商品を提供していたとしても、利便性が低いと顧客離れが進んでしまうことにつながりかねません。
以上から、まずはなぜ自分のサイトは表示速度が遅くなっているのかを把握した上で対策を検討していくことが必要であるといえます。ECサイトの高速化を行うと、ユーザーの満足度が上がる点に加えて、サーバーの処理負担の軽減にも繋げられます。ぜひ、自身のサイトを見直してみて改善できるところがないか検討してみてください。もし自身では対策が難しい場合には、制作会社などにアドバイスを求めるのもおすすめです。

- 監修
- コマースとCXの
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